我慢でも攻撃でもない。夫婦円満をつくる自己表現「アサーション」とは
- 藤田英範
- 1月1日
- 読了時間: 3分

夫婦関係のご相談で、非常に多いのが次のようなお悩みです。
話し合おうとすると、いつも言い合いになる
本音を言うと、相手を傷つけてしまいそうで言えない
我慢しているうちに、気持ちが冷めてしまった
実はこれらの背景には、「伝え方」に問題があるケースが少なくありません。
本記事では、心理学者・平木典子氏の著書
『アサーション入門 ― 自分も相手も大切にする自己表現法』
をもとに、夫婦関係を穏やかに、かつ誠実に整えていくためのコミュニケーション法
「アサーション」について解説します。
アサーションとは何か
アサーションとは、
「自分の気持ちや考えを正直に伝えながら、同時に相手の尊厳も守る自己表現」
を指します。
アサーションは次の2つを同時に満たすことを目的としています。
自分を抑え込みすぎない
相手を支配・攻撃しない
つまり、我慢でもなく、強要でもない第三の伝え方です。
夫婦関係で起こりやすい3つの伝え方
夫婦関係では、無意識のうちに次のような表現に偏りがちです。
表現タイプ | 特徴 | 夫婦関係への影響 |
非主張的 | 言いたいことを飲み込む | 不満の蓄積・心の距離 |
攻撃的 | 強い言葉・否定・命令 | 対立・萎縮・信頼低下 |
アサーティブ | 自他尊重の表現 | 安心感・対話の継続 |
アサーションは、長期的に関係を維持・成長させるための表現法です。
夫婦関係におけるアサーションの3つの役割
平木氏は、アサーションの機能を以下の3つに整理しています。
1.問題解決のためのコミュニケーション
家事・育児・お金・時間の使い方など、「生活のすり合わせ」を冷静に行うための力です。
2.関係を保つためのコミュニケーション
感謝・共感・ねぎらいなど、関係の温度を保つ言葉がここに含まれます。
3.自己実現を支えるコミュニケーション
「個人としての夢や価値観」を尊重し合う対話です。
夫婦関係が息苦しくならないために不可欠な要素です。
今日から使えるアサーションの具体例
●「あなた」ではなく「私」を主語にする
×「どうしていつも○○してくれないの?」
○「私は○○してもらえると安心する」
●事実と感情を分けて伝える
×「無責任だと思う」
○「連絡がなかったので、私は心配になった」
●要求は具体的に、現実的に
×「もっとちゃんとして」
○「○時までに一度連絡をもらえると助かる」
相手を評価・非難せず、私は(事実)に対して(感情)を感じている「自分の感じていること」を主語にして伝えることを意識して行いましょう。
アサーションが夫婦にもたらす変化
アサーションを身につけることで、
話し合いが「戦い」にならなくなる
感情を安心して表現できるようになる
信頼と尊重が積み重なっていく
といった変化が、実際のカウンセリング現場でも多く見られます。
まとめ
夫婦関係を良くするために必要なのは、「正しさ」よりも「伝え方の質」です。
アサーションは、自分を大切にすることと、相手を大切にすることを両立させる技術です。
もし今、
話すこと自体が怖くなっている
何をどう伝えればいいのか分からない
そう感じているなら、それはあなたの努力不足ではなく、方法を知らなかっただけかもしれません。
話し合いができない
気持ちを言葉にできない
同じことで何度も衝突してしまう
このようなお悩みがある方は、カウンセラーに話してみませんか?
出典:平木典子『アサーション入門 ― 自分も相手も大切にする自己表現法』講談社現代新書(2012年)
画像:UnsplashのCopycat Fragrancesが撮影した写真




コメント